■ 抄録・要旨
| OECD環境アウトルック2050(2012)によれば、世界各国がより意欲的な環境対策に転換しなければ、大気汚染による健康被害が世界的に増加し、O3および粒子状物質の影響により1年間の早期死亡数は、2030年までにそれぞれ2010年の1.6、1.6倍以上に、2050年までに2.1(約80万人)、2.5倍(約360万人)程度になると予想している。東アジア地域における急速な経済発展に伴う大気汚染物質の排出量増加は日本への越境汚染を考慮しなければならない状況にあり、現在でもO3とPM2.5に対する国外からの寄与は西日本では半分近くになる可能性も報告されている。そのため、O3・PM2.5いずれについても国内の発生要因による影響の予測精度を挙げていくための調査研究とともに、日本への国外からの越境汚染という捉え方だけでなく東アジア地域の広域大気汚染問題の解決を目指した国際的な大気環境管理に向けた取り組みを進める必要がある。
|